(updated on Apr. 1,2012)
准教授
知野 泰明
土木史は、近年ようやく盛んに行われるようになった研究分野です。このため、土木史を専門とする研究者はまだ非常に少なく、研究手法も多岐にわたっているのが現状です。
土木史研究は単に、古いことを調べることが目的ではなく、研究を行うことによって現代に応用できる情報が見つかったり、古い時代の計画思想であっても 今日より優れたものが見つかることもあります。こうした土木の歴史を調べることで、これまでの土木の進展を振返ることができ、また、現代の土木を反省したり、未来の土木技術を考えるための重要な情報を得ることができるのです。
本研究室では、既存の構造物から各時代の土木史を探るための近代土木遺産の全国調査に参加しており、現在の研究課題の主軸の一つとなっています。この調査で得られる結果によって、日本における近代土木の足跡をたどることが可能
となり、また、現在では、各構造物の評価を行うことにより土木構造物の文化財的価値を見いだし、保存・活用まで行うことが行われ始めています。
また、土木史研究を行うには、古い文献史料を読破することも重要です。そこで、本研究室では明治以前の草書体による古文書史料なども読解し、史料として活用しております。
本研究室では景観工学に関する研究も行っており、景観を歴史の蓄積ととらえながら、より良い景観の創出の基礎となる研究成果を探求しています。